全国の女子高校生のみなしゃ〜ん

お待たせしました〜 
「今週、来週と妻が浮気します」でおなじみのイヌッキーちゃんでごじゃいますよ〜。


ふぅ、疲れっていうのは時に人を変えますね・・・。
普段は学者肌の俺がこんな書き出しになっちゃうんだもんな・・・
都会は俺をダメにしちまったよ。
「大家さん、知らんおっさんが駐輪場で勝手に筆でそれっぽいこと書いて若者の悩みを聞いてまっせ」


さて、チュートリアル徳井節が出たところでしょーもない本編いきますか。
ご存知!妄想小説の第二話です。
第一話が好評だったか、不評だったかはさておき、内容的には
未成年にとっての有害図書ではなかったと思うので引き続きUPさせていただきます。


いっぱいひっかけて帰ってきた後に、万年だしっぱなしのこたつに足を突っ込んで
大事にとっておいたバナナカステラをちぎっては食べちぎっては食べしながら
声に出して呼んでいただけると大変光栄、いやいや中村孝明でございます。


えーっと・・・以下本編です。





〜桜の季節〜 第二話



『ふぁぁ〜、さすがに眠いな』
いつ以来だろうな、こんなに朝早く起きたのは。
でも、中学時代から遅刻気味の俺がバカみたいに早起きしたのにはわけがあった。


昨晩、写真で見た<熊井友理奈>に会いたい、その一心だった。


そして、ひとり心の中で『何やってんだ、俺』と思いながら歩いていると、
あっというまに、まだ誰も来ていない学校の下駄箱に到着していた。


足早に教室に向かおうとする途中、「あ、そういえば・・・」とあることに気づいた。
よく考えたら、別に早く来たからといって、彼女の姿を見ることができるかどうかわからないじゃないか。
第一、アイドルって学校なんてろくろく来ないって話もきいたことあるし
今日、来るのかどうかすらもわからないな。


さっきまでのワクワク感から一転してつまらない気持ちになったが、
来てしまった以上どうしようもないので、とりあえず彼女のクラス1ーBに向かう。
そして、誰も来ていない教室の適当な席に座ってみる。

「何やってんだ、俺」 先ほどと同じ言葉をぽつりとつぶやいた。


・・・・・・・・・・・・・・・


それから何分ぐらい経ったのだろう。
スタスタスタスタ
廊下を誰かが歩いてくる音が聞こえた。
さっと後ろを振り向くと、開きっぱなしにしていた後ろのドアから一人の女子が入ってきた。


「あ!」


自分以外に誰も来ていないだろうと、思っていたのだろうか、
その女子は自分を見るなり驚いたような声をあげた。
その声にこっちも驚いたが、それをごまかす意味も含めて
このクラスの生徒のような振りをして、さりげなく「おはよう」と声をかけた。


「・・・・・おはよう」


うまくごまかしたつもりだったが、驚いた表情が出てしまっていたのかもしれない。
その子はちょっとした間の後に小さな声で、うつむきがちに返事をした。


熊井ちゃんだったら最高だったのになぁ』
どこまでも出来すぎた妄想から、俺を我に返したのはガサゴソと教科書を机にしまっている音だった。
それと共にその子のほうに目を向ける。

きづくと、いつのまにか熊井友理奈の妄想から、目の前の女子の姿に目を奪われていたのだった。
『髪がツヤツヤしてて、色の白い子だなぁ』


その後もぼっーと見ていると、その子が急に話しかけてきた。
見られているのがはずかしかったのか、先ほどとはうってかわって大きな声だったが
うつむきがちなのは変わっていなかった。


「あ、あ、あの〜、はじめましてですよね」


「え、あ、ああ、そうだね」


この時間帯のせいなのか、妙に緊張した空気にありきたりな返事をしてしまった。


なおもうつむきがちに、その子は続ける。
「あの〜、わたし、通っていた中学はこの県じゃなかったので、全然知り合いいないんです」


「あ、うん」
今度は間髪いれずに愛想のない返事をしてしまう (うわ、ださっ 俺)
なんか自分のかっこわるさに今度はこっちがうつむきがちになってしまった。


その子はこう続けた。
「えと、昨日はなんかごめんなさい・・・・あんな大騒ぎになっちゃって・・・・」


「うん」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えっ」


思わず顔を上げて、その子を見る。


「いや、えっと、ぇあ〜」 
最後の言葉の意味がわかったようなわからないような感じになってしまい変な声をだしてしまう俺。
その直後。


「あ〜っ!」 かなりの大声を上げてしまった。


途端に頭をフル回転させる、・・・がうまく回転しない。
『うわ、えっと、この子、昨日見た、あ、えっとなんだっけ? ん〜えっとなんとか永・・』
俺のパニック状態をさえぎるように改めて、自己紹介をしてくる。


嗣永桃子です。しばらくは昨日みたいな騒ぎになっちゃうかも知れないけど宜しくお願いします」
メガネをかけてはいたけれど、その顔はまさしくあこがれの熊井ちゃんと並んで写真に写っていた
Berryz工房のメンバーの一人だった。


俺のリアクションがよっぽど面白かったのだろうか、Berryz工房のメンバーであるその子は
こっちを見てかわいい声でうふふと笑っている。


そして、パニック状態から抜け出せない俺は自分の名前も名乗らずに、その教室を飛び出していた。
『この学校に来たのは熊井ちゃんじゃなかったんだ・・』
完全に熊井友理奈しかありえないと思い込んでいた俺は、今の状況がまだ理解できなかった。
頭の中では<熊井友理奈>の顔と「嗣永桃子です」というかわいい声が何度も何度もグルグル回っていた。